レーザー溶接

ABOUT

レーザー溶接とは

以前はYAGレーザー溶接が主流でしたが、近年ではファイバーレーザー溶接が一般的に使用されています。YAGレーザーは固体レーザーに分類される一方、ファイバーレーザーは固体レーザーの一部と見なされることもありますが、別のカテゴリーにも分類されています。ファイバーレーザーは、光ファイバーの両端にミラーを装着してレーザー媒体を増幅させる特長があり、そのため、小さな電源でも高出力を得ることが可能です。ファイバーレーザーは、切断だけでなく溶接にも使用されています。溶接においての特長として、局所的に加熱して溶接することにより、歪みや焼けが少なくなる点が挙げられます。また、高出力が可能なため、深い溶け込みを実現でき、当社では最大7mmの溶け込み「キーホール溶接」を実現しています。

レーザー溶接とは

FEATURE

第五電子工業のレーザー溶接の特徴

出力の違うレーザー溶接機を合計5台所有
・1mm以下も溶接できる薄物用の500Wは、ハンドトーチで溶接しています。
・1.5mm~5mm程度の溶接に適している1300Wの溶接機は、ロボット専用として活用しています。
・5mm~10mmが溶接できる8000Wも保有しており、こちらもロボット専用です。
キーホール溶接
レーザー溶接には、熱伝導型と深溶け込み型の2種類の方法があります。熱伝導型は金属に熱を浅く広く伝える方式であるのに対し、深溶け込み型は熱エネルギーの密度が高く、金属表面にくぼみが形成されます。このくぼみがさらに深くなり空洞化した状態を「キーホール」と呼びます。レーザー光をこのキーホールに照射し続けることで、キーホールが持続するとともに、より深い部分で溶解と蒸発が起こり、完全溶け込み(裏波溶接)が実現します。当社では、この深溶け込み型レーザー溶接の特性を活かし、開先加工を行うことなく裏波溶接を可能にしています。幅が狭く開先を取りにくい構造においても、確実に裏波溶接を行える点が大きな特徴です。
薄物のタンクやアルミのヒートシンク等にも適用
レーザー溶接のもう一つの特徴として、熱源を抑えて溶接を行うことで、TIG溶接などに比べて溶接周辺の加熱を抑えられる点があります。この特性を活かすことで、TIG溶接では変形が大きく溶接が困難な薄物でも、変形を抑えながらきれいに溶接することが可能です。当社では、この技術を応用し、薄物タンクの気密溶接やアルミ製ヒートシンクの溶接などもレーザー溶接で行っています。
ロボットの活用
当社では、ロボットを活用することで、複雑な形状でも安定した溶接を行うことができます。キーホール溶接にも有効で、円周方向やR部分、波形状においても安定した裏波溶接を実現しています。

USE CASE

導入事例

半導体向け成膜装置に使用される冷却ユニットの水冷プレートで、多くの実績があります。また、同じ成膜装置向けのマニホールド(ガス集積装置)でも多数の採用実績があります。さらに、露光装置向けのアルミ製ヒートシンクや、ガス装置向けのBOXチャンバーなどにも採用されています。最近では、溶接構造の真空用ゲートバルブにも採用実績があります。

対応材質 ステンレス、アルミ、インコネル、ハステロイ、チタン
最大加工サイズ 500×1500

PRODUCT CASE

製品事例

EQUIPMENT

機械設備

レーザー溶接で取り扱う生産設備一覧

設備名 型式 メーカー 仕様 特長
ファイバーレーザー溶接ロボット ・FD-V20+V-HF4000
・FD-A20+V-HF4000
ダイヘン/WEL-KEN 1.3KW 1.5mm~3mmの板厚を主な対象として活用しています。
ポジショナーとロボットを組み合わせた仕様で、高精度な溶接が可能です。
レーザー発振器には国産品を採用しており、ビーム品質の安定性に優れています。
出力も重要ですが、私たちはそれ以上にビーム品質を重視しています。
ファイバーレーザー溶接ロボット FD-A20+FO8000-S:ARM ダイヘン/コヒレント 8KW 3mm以上の板厚の裏波溶接時に主に使用していますが、3mm以下でも効率を重視して活用する場合があります。レーザー発振器はEU製で、ビーム品質が安定しているのが特長です。

最大の特長は、2つの異なるレーザー発振器を搭載している点にあります。中心のレーザーと、その周囲を取り巻くリング状レーザーの組み合わせによって溶接を行います。この二重レーザーにより、溶接品質の安定化とスパッタの抑制を実現しています。
ファイバーレーザー溶接機 手動 ・V-HF1500
・V-HF2000
WEL-KEN 0.5KW 板金系の薄物溶接に活用しています。手動で対応できるため、多品種少量生産や複雑形状のワークにも柔軟に対応可能です。

スクロールしてください

FAQ

よくある質問

レーザー溶接とはどんな技術ですか?

レーザー光を集中照射し、金属を局部的に溶融させて接合する非接触の溶接技術です。極小部品や精密機器に最適です。

どのような用途で利用されていますか?

医療器具、電子部品、半導体製造装置、バッテリーケースなど、寸法精度や強度が要求される部品に多く採用されています。

TIG溶接との違いは何ですか?

レーザー溶接は非接触で熱影響が少なく、変形が極めて小さい点が特長です。スピードと精度の両立が可能です。

対応できる材質は?

ステンレス、アルミ、銅、ニッケルなど多様な金属に対応。反射率の高い金属も条件設定により安定して溶接できます。

溶接品質の確認はどう行っていますか?

外観検査・ファイバースコープを用いた内部検査、カット試験など、用途に応じた品質保証体制を整えています。