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水密溶接

水密溶接とは?どこまで求められる?依頼前に確認したいポイント

水密溶接を検討する際、「水が漏れなければよい」と考えられることがあります。

しかし実際には、水密溶接は単に接合するだけではなく、使用時に圧力が加わっても漏れない状態を成立させることが重要です。
また、長期間維持する事も必要不可欠です。

第五電子工業では、液体を密閉した状態で、繰り返し圧力が加わっても漏れないようにする溶接技術を水密溶接の絶対条件と位置づけています。

配管形状、水路溝形状、ジャケット形状など、対象となる形状はさまざまです。
また、使用初期には問題がなくても、経年劣化や隙間破壊、温度収縮などの要因によって、使用中に水漏れ事故が発生する可能性もあります。

そのため、水密溶接では「いま漏れないか」だけでなく、どのような条件で使われるかを見据えて、適正な強度と品質で仕上げることが求められます。

本記事では、水密溶接の基本的な考え方と、依頼前に確認しておきたいポイントについて整理します。

水密溶接とは何か

水密溶接とは、液体を密閉した状態で、圧力が加わっても漏れないようにする溶接技術です。
溶接した面にピンホールや割れがなく、全周が適切につながっていれば、理論上は漏れません。
ただし、実際の製品では、使用環境や圧力条件、構造、材質などが複雑に関わるため、単に「つながっている」だけでは不十分なことがあります。

特に近年は、製品の長寿命化に対するニーズが高まっており、初期状態だけでなく、使用中も安定して漏れが発生しにくい状態 が求められています。

また、内部に隙間があると割れの原因になることがあるため、水密溶接では裏波仕様の溶接が求められるケースも増えています。

水密溶接で重要になる視点

水密溶接を成立させるためには、溶接そのものだけでなく、使用条件や構造を含めて考えることが大切です。

例えば、次のような視点が重要になります。

  • 液体を通す構造なのか
  • どの程度の圧力が加わるのか
  • 使用時に温度変化があるのか
  • 長期間使う前提なのか
  • 割れやすい形状、応力が集中しやすい構造ではないか

水密溶接では、こうした条件を十分に把握しないまま進めると、初期には問題がなくても、使用中に不具合が起きる可能性があります。
そのため、設計段階や仕様整理の段階から、「どうすれば成立するか」を見据えて検討することが重要です。

第五電子工業の水密溶接の特徴

第五電子工業では、水密溶接をTIG溶接またはレーザー溶接で行っています。
そのうち9割以上が裏波溶接を要求される製品であり、高い品質管理が求められる領域に対応しています。

また、溶接方法、ビード形状、溶接焼けに至るまで厳密に管理を行い、対象品についてはリーク検査を100%実施したうえで納品しています。

検査方法としては、

  • 窒素(N2)による加圧検査
  • 水による加圧検査
  • Heリークディテクターによる真空漏れ検査

などに対応可能です。
ご要望があれば、検査表の提出にも対応しています。

つまり第五電子工業の水密溶接は、単に「溶接できます」という話ではなく、品質管理と検査まで含めて保証できる体制があることが特長です。

どのような用途に対応しているか

第五電子工業では、半導体製造装置向けの水冷配管やラジエーターが、水密溶接製品の約半分を占めています
そのほかにも、

  • 成膜装置向けの冷却プレート
  • ヒートシンク
  • 水冷ジャケット
  • ヘッダー管
  • 水冷シャワー配管
  • プレート類

など、多様なニーズに対応しています。

対応材質はステンレス、ニッケル合金、アルミ、チタンで、最大加工サイズはブロック形状では800mm×800mmです。
配管形状では、配管径Φ160mm以下であれば長さ3000mm程度まで、それ以上であれば長さ1500mm程度まで対応可能です。

用途や形状が異なると、求められる条件も変わります。
そのため、単純に「水密溶接が必要」というだけではなく、対象物や用途に応じて考えることが重要になります。

依頼前に確認しておきたいポイント

水密溶接を依頼する前に、整理しておきたいポイントは次の通りです。

1. どのような液体を扱うのか

水だけでなく、使用流体の性質によって求められる条件は変わります。

2. どの程度の圧力が加わるのか

圧力条件によって、必要な強度や溶接仕様の考え方も変わります。

3. 使用環境に温度変化があるか

温度収縮や経年劣化の影響を受ける場合は、初期性能だけで判断できません。

4. 材質と構造は適切か

ステンレス、アルミなど材質ごとの特性に加え、隙間や応力集中が起きやすい構造かどうかも大切です。

5. どのような検査が必要か

加圧検査なのか、真空漏れ検査なのか、どこまで保証が必要かを整理しておくと、相談がスムーズになります。

水密溶接は「溶接」だけで決まらない

水密溶接では、漏れを防ぐことだけが目的ではありません。
その製品が実際に使われる環境の中で、どのように長く安定して使えるかまで考える必要があります。
そのためには、

  • 構造
  • 材質
  • 使用条件
  • 溶接方法
  • 検査方法

を切り分けず、一体で考えることが重要です。
第五電子工業では、水密溶接を「成立する状態まで見据えて対応するもの」として捉えています。

水密溶接のご相談も可能です

「この構造で水密性を確保できるのか」
「どの検査方法が適しているのか」
「長期使用を見据えた仕様にしたい」

このような段階でもご相談いただけます。

図面や仕様が固まりきっていない段階でも、用途や条件を整理しながら検討することで、より適した進め方が見えてくることがあります。
水密溶接についてご検討中の方は、お気軽にご相談ください。